2023年秋の研修会(周防大島) 前半報告

2023年11月25日(土)・26日(日)
場所:山口県大島郡周防大島町西三蒲
説明:久良工務店若手職人黒瀬氏、原田氏
参加者:九州杢人の会参加会員、池上、押川、蓑原、櫛下町、木の家ネット5名、久良工務店6名

11月25日(土)
13:00 久良工務店新築現場(今年6月竣工、丹呉さん設計)
今年6月竣工の現場は平家建の住宅でした。瓦は石州瓦、外壁は漆喰、板壁。秋と同じ色合いで景色に溶け込んでいました。着いて早々、黒瀬氏が図面を見せて下さいました。まるで印刷したかの様な、手書きで書かれた丹呉氏の図面。細かい収まり、瓦等の割り付けまで。そこに建っているかの様な迫力がしました。図面をみている会員、目が輝き少年の様でした。

皆からの質問に黒瀬氏、原田氏が丁寧に答えてくれ、また苦労話や職人あるあるで直ぐに皆溶け込み、笑いありの見学会開始です。室内に入り、先ず目に付くのは構造材でした。渡り腮工法で組まれた構造には、古材も活用されており、お互いに支えあっています。壁は真壁土壁下地漆喰仕上げ、土壁中塗り仕上げ、杉板壁仕上げ。入った時に感じる澄んだ空気に納得。家中を各々の目線で感じた事の意見交換をしながらの見学は、気付かされる事や刺激がいっぱいでした。
随所に見られる造作棚等、シンプルイズベスト、木の素材をありのままに活かしてあり、飾らない姿が逆に凛としています。敷居の溝の滑り材、桜の木を薄くしたレール(3㎜厚)をはめ込んであり、久良工務店さんの一つ一つの自然への配慮も感じられます。
また、この住宅は久良氏が山から木を斬り、挽き、製材された材が活かされています。製材から携わっている為、材の部極めの悪さなどから活用方法など考慮されており、屋根垂木などあえて分を揃える事無く、挽いた巾のまま使われていました。
一見見た目では仕上がり自体に気になる事は無いのですが、それに共なる垂木材の番打ち、面戸板等の巾の調整、目に見えない苦労に脱帽です。
見学会も皆が集まると時間が経つのはあっという間で、話足りないのですが、ここで久良工務店作業場へ移動します。

14:20 久良工務店新築作業場へ移動、作業場見学
ここにて、久良氏とも合流します。作業場近くになるにつれ人里離れ山に入ります。そこにあったのは、おびただしい量の木材と作業場でした。製材された木材は天然干しされており、まるで製材所さんの様。作業場はキレイに整頓されており、仕事への効率的機械配置もしてあります。
な!なんと!?露天風呂があります。ビックリさせられた上に、オケまで手作り。
木々を見ながら至福の時。自然に囲まれ、自然を活かし、自然に癒される。何とも言えない。さて、此処からは木の家ネット、見積部会の報告勉強会へと移ります。

(櫛下町和洋)